正直なところ、個室食事や部屋食を明確にうたう宿は多くありません。ただ、実際に調べていくと、貸切露天風呂や露天風呂付き客室、部屋出しの懐石料理など、二人きりで過ごせる仕掛けを持つ宿は確かに存在します。この記事では、その中から4軒を取り上げます。
個室食事の宿を選ぶときに見ておきたい3つの視点
宿選びで見るべきは「食事の形」「風呂の造り」「価格帯」の3点だと考えています。部屋まで料理を運んでくれるのか、貸切の風呂があるのか、そして2026年9月時点・2名1室1泊でいくらかかるのか。この3つが分かれば、二人の予定に合う宿を絞り込めます。
まずは4軒を一覧にしました。
| 宿名 | 温泉・客室 | 食事 | 配慮ポイント | 評点 |
|---|---|---|---|---|
| Nazuna箱根宮ノ下 | 全室に温泉、京町家風の意匠 | 囲炉裏朝食 | 客室ごとに独立した造り | 口コミ1件のみ |
| 箱根つたや旅館 | 大浴場・露天風呂、ナトリウム塩化物泉 | 記載なし | ミニキッチン付きの客室あり | 風呂4.7、清潔感4.65 |
| 「四季の湯座敷」武蔵野別館 | 大浴場・露天風呂・家族風呂 | 部屋出しの懐石料理 | 貸切露天風呂3か所 | 朝食4、夕食4 |
| あうら橘 | 大浴場・露天風呂、屋上に貸切風呂3か所 | 創作料理 | 大人限定の露天風呂付き客室 | 風呂4.46、朝食4.54 |
こうして並べると、部屋食に強いのは武蔵野別館、客室の造り自体で二人の時間を作るならNazunaとあうら橘、価格を抑えたいならつたや旅館という役割分担が見えてきます。
宮ノ下で部屋食・個室ダイニングが叶う旅館4軒
京町家の意匠に包まれる、露天風呂付き客室の「Nazuna箱根宮ノ下」

Nazuna箱根宮ノ下は2025年5月に開業したばかりの宿です。木賀温泉入口のバス停からすぐという立地で、箱根登山鉄道の宮ノ下駅からは徒歩約15分かかります。
京都の町家の要素を取り入れたつくりが特徴で、客室ごとに専用の露天風呂を備えています。朝食は囲炉裏を囲んで供される「囲炉裏朝食」で、公式サイトによると「厳選された四季折々の食材を、素材の旨味を生かした味付けと共に心をこめてご提供いたします」とのことです。米料亭「八代目儀兵衛」から仕入れた米を使う点も、地の食材にこだわる姿勢を感じさせます。
客室名も「【ラグジュアリーツイン】松原」「【キング】四条 / 高辻 / 御池」と京都の地名がついており、部屋ごとに趣が違うのも特徴です。開業したばかりで口コミはまだ1件のみ。評判が定まりきっていない分、これから泊まる人の感想がそのまま参考情報になる段階の宿だと言えます。価格は2名1室1泊の目安で31616円からです。
夜、障子の向こうに箱根の山影が浮かぶ。
6,000円台から泊まれる、フリーエリアが心地よい「箱根つたや旅館」

底倉温泉にある箱根つたや旅館は、神社下のバス停から徒歩約1分という立地の良さと、6000円という手頃な価格が魅力の宿です。個人的には、この価格でナトリウム塩化物泉の大浴場・露天風呂が使えることに驚きました。
泉質はナトリウム塩化物泉で、疲労回復・皮膚病・高血圧に効能があるとされています。評点は8項目のうち風呂が4.7、清潔感が4.65、接客が4.7と高水準です。客室にミニキッチンを備えた部屋があり、ラウンジで自炊気分の滞在ができるのも他の3軒にはない点です。公式サイトでは「レトロな家電や和食器などがずらりと並んだキッチンや、オリジナルの風呂桶カウンターは旅の思い出に華を添えます」と紹介されています。
一方で、投稿された口コミには「フリーエリア外国人9割の宿。目的がゆっくり静かに過ごすことだったので外人さんの賑やかな雰囲気」に戸惑ったという声もありました。二人きりで静けさを重視するなら、時間帯や予約プランを確認しておいたほうがよさそうです。
ただ、価格と立地のバランスは正直かなり効きます。
貸切露天風呂「隠れ湯」と部屋出しの懐石料理、大人の時間を尽くす「四季の湯座敷」武蔵野別館
宮ノ下駅から徒歩25分(送迎車あり)の場所にある「四季の湯座敷」武蔵野別館は、今回の4軒の中でもっとも個室食事の色が濃い宿です。
公式サイトによると「一品一品お部屋までお運びして・・ごゆっくりとお料理をお楽しみ頂けます」とあり、料理旅館らしく本格懐石料理を部屋でゆっくり味わえます。朝食は自家製の豆腐や湯葉粥を使う豆腐懐石で、評点は朝食4、夕食4と高めです。清潔感は3.71でした。
風呂も充実しています。大浴場・露天風呂に加えて、貸切露天風呂が3か所あり、公式サイトでは「夜には篝火が幻想的に渓谷を映す・・小田急ロマンスカーのポスターにも採用された、貸切露天風呂 隠れ湯『薫風』」と紹介されています。泉質はナトリウム塩化物泉で、リウマチ・神経病、婦人病、皮膚病に効能があるとされています。
フラッグシップルーム「楓」は120平米のスイートルームで、公式サイトによると「源泉掛け流しの総檜の露天風呂や月見台、パウダールームを備えた贅沢な造り」とのことです。価格は素材にある案内では「24,300円~(大人2名1室、平日1泊2食のお一人様料金)」、楽天APIの目安では25300円からとなっています。口コミは126件集まっていました。
記念日にひとつだけ選ぶなら、正直ここだと思います。
大人限定の露天風呂付き客室と屋上の貸切風呂、「あうら橘」

箱根湯本駅から徒歩15分のあうら橘は、1822件という4軒の中で最も多い口コミ数を持つ宿です。評点も接客4.49、立地4.35、客室4.31、設備4.14、風呂4.46、朝食4.54、夕食4.54、清潔感4.36と、どの項目もまとまって高い水準にあります。
「大人限定の温泉露天風呂付き客室」があるのが最大の特徴です。公式サイトによると、客室の造りは「天然温泉を引き込んだ大人限定の温泉露天風呂付き客室」で、子連れ向けの純和風客室とは別のタイプとして用意されています。大浴場の洗い場についても「洗い場も隣の人が気にならない仕切りがあり、座りやすい高めの椅子をご用意しております」との案内があり、周囲を気にせず過ごせる工夫が細部まで行き届いている印象です。
屋上スカイテラスにある貸切風呂(有料)が3か所。予約すれば、大浴場とは別に二人だけの湯浴みも選べます。泉質は単純泉で、リウマチ・神経病、慢性消化器病、腰痛への効能が記載されています。料理は箱根の地場産食材を使った創作料理で、夕食・朝食ともに提供されます。価格は2名1室1泊の目安で19060円からです。
投稿された口コミには「臨機応変な対応と美味しい食事に大満足」とあり、屋上の貸切露天風呂が雷雨で使えなかった際も柔軟に時間調整してもらえたという内容が寄せられていました。
洗い場の仕切りまで整えているのは、この4軒の中でもこの宿だけです。
送迎サービスもあり、静かな環境で寛げる「四季の湯座敷」武蔵野別館
箱根の宮ノ下エリアで、落ち着いた時間を過ごしたい方におすすめなのが「四季の湯座敷」武蔵野別館です。こちらの宿は、口コミ評点が3.9(127件)と安定した評価を得ており、ゆったりとした滞在を求める方に選ばれています。
アクセスについては、最寄り駅である宮ノ下駅から徒歩で25分ほどの場所に位置しています。少し距離があると感じるかもしれませんが、送迎車が用意されているため、移動の負担を抑えてスムーズに宿へ到着できるのが嬉しいポイントです。人混みを離れて、二人だけの静かな時間を大切にしたい旅行にはぴったりの環境といえるでしょう。
宿泊料金は29,700円からとなっており、計画に合わせて検討しやすい設定です。住所は神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下425-1にあり、宮ノ下の情緒を感じながら、日常の喧騒を忘れてリフレッシュすることができます。大切な人と向き合い、プライベートな空間で心安らぐひとときをお過ごしください。
アクセスと予約のコツ
宮ノ下エリアへは、小田急線・箱根登山鉄道を使うのが基本です。箱根登山鉄道の宮ノ下駅を最寄りとする宿がある一方、Nazuna箱根宮ノ下と武蔵野別館のように、木賀温泉入口のバス停利用や送迎車が前提の宿もあります。予約の際は、駅からの距離ではなく「送迎の有無」「最寄りのバス停」まで確認しておくと当日困りません。
- 箱根登山鉄道の宮ノ下駅から徒歩圏内なのは箱根つたや旅館
- 送迎車が前提なのは「四季の湯座敷」武蔵野別館
- 箱根湯本駅からのアクセスが基準になるのはあうら橘
貸切露天風呂や部屋食プランは、予約時点で確保できるとは限りません。二人きりの時間を目当てに選ぶ宿ほど、早めの予約が安心です。
よくある質問
部屋食が確実に楽しめるのはどの宿ですか。 公式サイトの案内で「お部屋までお運び」する形が明言されているのは「四季の湯座敷」武蔵野別館です。他の3軒は大浴場や貸切風呂での個室感を軸にしています。
予算を抑えたい場合は。 今回紹介した中では箱根つたや旅館が最も価格帯が低く、6000円からとなっています。
評判の高さを重視するなら。 口コミ件数・評点ともに厚みがあるのはあうら橘です。1822件という圧倒的なレビュー数と、8項目すべてで4点台の評点が判断材料になります。
まとめ
いずれも公開情報に基づく数字と公式サイトの案内から比較したものです。気になる宿があれば、貸切風呂や部屋食プランの空き状況を早めに確認してみてください。
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